地価の先安観

地価の先安観が原因で売られるのは、銀行株よりも不動産株ではないかと思われる方も多いと思います。現に九七年一○月に大暴落した香港の株式市場では、不動産株が最も売り叩かれましたが、その理由は香港の株式市場の七割が不動産株で占められていたからです。外国人投資家は、香港の地価バブルが崩壊するのを先読みして不動産株を売り叩いたのです。しかし、日本株の場合は、カラ売りできる上場不動産株の銘柄数が少なく、シェアも低いという事情があります。カラ売りの対象は、どうしても土地担保金融をやりすぎて失敗した銀行株に向かわざるを得ません。いまの日本で、実質的に土地を支配し、かつ抱え込み過ぎて具合が悪くなっている筆頭の業界は銀行なのです。日本の主要銀行株は、明らかにバブル崩壊後の最安値に向かって再下落を開始しましたが、九七年九月以降は急激にその下げ足を早めています。特に香港発の世界連鎖暴落と三洋証券の倒産が重なった二月上旬には、上場来安値を更新する銀行株が相次ぎました。いまだに銀行株が際立って下げているということは、日本の不動産の先安感が再浮上してきたことを表しています。九八年にかけて日本の地価はさらに大きく下落する可能性があります。

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